オレセレクト

私の生活を彩る、好きなモノに関するブログ。時々日記。

映画鑑賞「バッド・ジーニアス 危険な天才たち」

 

バッド・ジーニアス 危険な天才たち(字幕版)

バッド・ジーニアス 危険な天才たち(字幕版)

  • 発売日: 2019/02/06
  • メディア: Prime Video
 

個人的評価3.3/5

 

ただただバンクが可哀想に思えた

 

賄賂によって裏口入学式する生徒もいる中で、
裕福な家庭ではないが真面目に努力して優秀な成績をおさめてきたバンク
(リンは自分と似た境遇であるバンクに好意を抱いている)

 

バンクの父親は亡くなっており、母親の経営する小さなクリーニング店も故障ばかりの機械を買い換える事ができない状況
バンクは勉強によってこの貧困から抜け出そうとしていた
→読み込まれた教科書とモーツァルトの夜の女王のアリア(曲名は「復讐の炎は地獄のように我が心に燃え」)

 

しかし大事な試験の前に事件に巻き込まれ、留学の夢を断たれた絶望の中で光を探す様にリン達の計画へと引き摺り込まれて行く。

 

"クリーニングの未来"のポスターを見つめるシーンでは、家業を継ぐための資金が必要と考えたのか、それとも継いだ所で明るい未来を見出せないと考えたのか、、、
→もしくは汚れても(罪を犯しても)洗い流せるという考えか

 

バンクの真意は分からないが散々リン達に振り回されたあげく、退学を余儀なくされる。
もちろん自分の意思で計画に参加した事に間違いは無いが 、バンクだけが割りを食う展開にやるせ無さMAXだ。

 

最後のリンの選択は間違ってはいないと思うが、引き返せるタイミングはいくらでもあったはず。
明るいはずだったバンクの未来を奪っておいて(直接の原因はくそパット野郎だけど)、あまりにも自分勝手だとも感じた。

 

スリリングに描かれる試験シーンは見応えがありますが、どこまでも追いかけてくる試験官には少し笑ってしまった

 

なんて色々書いてはいますが、
あまり細かいストーリーは気にせずハラハラドキドキを楽しむ映画かなと思いました。


ツッコミ所は多いですが演出が上手く引き込まれます。

面白いのは間違いないですが
ちょっと期待しすぎちゃったかな、、、

 

・印象的な鏡のシーンの解釈について
①冒頭尋問シーン(おそらく練習)


多重に写っているリンは、どれが本物でどれが虚像か分からない
=嘘を重ねている、もしくは悪い事と分かっていながら割り切っている


②ピアノを弾いている時にカンニング方法を思い付くシーン


ピアノにリンの姿が反射し、物語の時系列上初めて虚像が現れる
=最初は友人の事を想っての行動だったが、お金の為にカンニングに協力する事を決める


③中盤STICのカンニングを断ろうとする直前のシーン


複数の像が見つめ合っている
=自分の中で迷いがあり、自問自答している


④終盤面接(大学?)を受けるシーン


鏡の中のリンはボヤけて実像だけがハッキリと映る
=罪の自覚をもち、虚像のリンが消えつつある
→面接官からの質問にも俯き答えられない→罪を認め、前を向く(LINEグループから退出)


⑤ラストのバンクとの会話のシーン


扉のガラスにうっすらと映るリン
=嘘(虚像)や迷いは消えて、現実と向き合い扉を開ける

 

 

ラストシーンは"勤勉実直"だった二人が対照的に描かれる
暗闇に立つバンク⇄光の中の父親

 

よく分からなかったのが、リンの両親の離婚原因
教育方針の違い?
父親の「機会を与えてやりたかった」というセリフに対して、リン「私は母さんと違う」
=母親はリンと同じで優秀な人?

 

--------------------------------

https://www.google.co.jp/amp/s/www.cinematoday.jp/news/N0104877.amp.html
このインタビュー内で離婚原因が語られていました。

「リンの父親は離婚しているという設定なのですが、それは、リンの母親が一教師として現状に満足している夫に不満を持ち別れてしまったから。映画では語られていないのですが、監督とはそうしたリンの家庭事情についても話をしました」

--------------------------------

 

腑に落ちた